とろけてほどけて愛になる〜友達の恋人の友達は、私を癒して甘やかす〜
1 悲報と再会
その連絡が来たのは、愛梨が仕事を終えて帰ろうとしていた時だった。
全国に展開するダイニング&カフェのメニュー開発部で働く愛梨は、次の会議で提案するはずの期間限定メニューがまだ決まらず、悶々とした気持ちのまま帰路につこうとしていたところで、突然スマートフォンが鳴ったのだ。
しまったばかりのカバンの中からスマートフォンを取り出し、画面を見ると、そこには尾原祥子の名前が表示されている。
高校生の頃から仲が良い祥子とは、週に一度くらいのペースで連絡を取り合っている。普段なら就寝前の時間に電話がかかってくるが、いつもと違うことに何か胸騒ぎを覚えた。
(何かあったのかしら……)
画面をスワイプして、スマートフォンを耳に当てる。
「お疲れ様。どうかした……祥ちゃん?」
しかし愛梨の問いかけに祥子からの返答はなく、代わりに嗚咽が聞こえてきた。
「祥ちゃん? どうしたの? 何かあったの?」
『うっ……うっ……ったの……』
「えっ? 何? もう一度──」
『光一が死んじゃうかもしれないっ……うっ…うあぁ……』
祥子の言葉の意味が理解出来なかった。それは理解したくないという気持ちと、そんなことはありえないという気持ちが混ざり合い、心が受け入れることを拒否したのだ。
「高田くんに何があったの?」
『車にはねられて……意識が戻らないって……うっ……』
光一とは高校三年の時から交際している祥子の恋人、高田光一のことだった。
付き合い始めてから今年で七年になるが、ようやくプロポーズをされ、来月には結婚式を控えていた。
幸せの絶頂にいたはずの二人にこんなことが起こるだなんて、誰が想像しただろうか。
「祥ちゃん……今病院にいるの?」
『うん……光一のご両親と一緒にいる……』
「私もこれから病院に行くよ。祥ちゃんのことが心配だし……」
『うん……ありがとう……心細くて……』
終わっていない仕事のことが頭を過ったが、祥子は光一が一番で、彼ががいないと生きていけないと愛梨によくこぼしていた。
だからこそ仕事よりも、友人の状況の方が心配になったのだ。
電話を切り、会社を出た愛梨は、タクシーに乗って病院へと急いだ。
全国に展開するダイニング&カフェのメニュー開発部で働く愛梨は、次の会議で提案するはずの期間限定メニューがまだ決まらず、悶々とした気持ちのまま帰路につこうとしていたところで、突然スマートフォンが鳴ったのだ。
しまったばかりのカバンの中からスマートフォンを取り出し、画面を見ると、そこには尾原祥子の名前が表示されている。
高校生の頃から仲が良い祥子とは、週に一度くらいのペースで連絡を取り合っている。普段なら就寝前の時間に電話がかかってくるが、いつもと違うことに何か胸騒ぎを覚えた。
(何かあったのかしら……)
画面をスワイプして、スマートフォンを耳に当てる。
「お疲れ様。どうかした……祥ちゃん?」
しかし愛梨の問いかけに祥子からの返答はなく、代わりに嗚咽が聞こえてきた。
「祥ちゃん? どうしたの? 何かあったの?」
『うっ……うっ……ったの……』
「えっ? 何? もう一度──」
『光一が死んじゃうかもしれないっ……うっ…うあぁ……』
祥子の言葉の意味が理解出来なかった。それは理解したくないという気持ちと、そんなことはありえないという気持ちが混ざり合い、心が受け入れることを拒否したのだ。
「高田くんに何があったの?」
『車にはねられて……意識が戻らないって……うっ……』
光一とは高校三年の時から交際している祥子の恋人、高田光一のことだった。
付き合い始めてから今年で七年になるが、ようやくプロポーズをされ、来月には結婚式を控えていた。
幸せの絶頂にいたはずの二人にこんなことが起こるだなんて、誰が想像しただろうか。
「祥ちゃん……今病院にいるの?」
『うん……光一のご両親と一緒にいる……』
「私もこれから病院に行くよ。祥ちゃんのことが心配だし……」
『うん……ありがとう……心細くて……』
終わっていない仕事のことが頭を過ったが、祥子は光一が一番で、彼ががいないと生きていけないと愛梨によくこぼしていた。
だからこそ仕事よりも、友人の状況の方が心配になったのだ。
電話を切り、会社を出た愛梨は、タクシーに乗って病院へと急いだ。