ソング・ツインズ
普段より1時間も早く帰宅したわたしを見て先生は目を丸くしていた。
「早苗ちゃん今日は随分早いみたいだけど、歌の練習はなかったの?」
文化祭でバンドを披露することはすでに話してあったから、心配そうにしている。
わたしはニッコリと微笑もうとしたけれど、うまくいかなかった。
メンバーには体調が悪くなったから早く帰ると嘘をついてしまったし、飯畑佳苗のことは頭から離れないから表情を誤魔化すこともできなかった。
「相談に乗るわよ?」
幼い頃からわたしの面倒をみてくれている先生は目ざとく気が付いて自分の仕事をあと回しにしようとしてくれる。
だけどわたしは首を左右に振って「大丈夫です」と答えた。
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