ソング・ツインズ
昨日ファイルを盗み見たあともずっと同じ感じだった。
佳苗は家族と暮らしているのに、自分は施設にいる。
その格差とも呼べるものに、自分自身支配されていた。
だって、家族と一緒に暮らしていたなら、母方の祖父母にだって会っていたかもしれない。
父方の祖父母はすでに亡くなっているから、わたしにはそんなことも叶わなかったのに。
親戚とか、イトコとか、そういう存在にだって恵まれていたかもしれない。
わたしは違うのに。
考えたって仕方ないし、佳苗のせいじゃないってわかっているのに、考えてしまう嫌な自分。
「あ、ごめん。大切な歌なんだよね」
< 27 / 72 >

この作品をシェア

pagetop