桜花転生奇譚
「……それで、優月よ……お主は、祓魔師になりたいようだな。理由を聞こうか」

私と目線を合わせてから、猛さんはそう質問をする。

……これ、本当のことを話していいのだろうか。

なんて、考えていた時だった。

ぶわり、と建物の中なのに桜の花びらが舞う。私はそれに驚いて天井を見上げるけど、誰もいなくて誰かがイタズラで花びらを撒いたわけではなさそうだ。

「……そうか。お前も、神桜に導かれて祓魔師を目指しているのだな」

それを見て何かを察したらしい猛さんは、そう言って微笑んだ。私の口から「えっ?」という言葉が零れる。

「実はな、ひかりと面接をした時も同じように突然花びらが舞って……桜様から『神桜に導かれし者、祓魔師になるべくこちらに参った』とお言葉をもらったんだ」

猛さんの言葉に、私は「そうだったんですね」と返す。

「……優月とひかりは、何か特別な使命を背負っているように見える。俺には、その使命が何かは分からないがな。祓魔師を目指すとなれば俺は歓迎しよう。事情は問わぬ。ここで暮らしながら、祓魔師を目指すがよい」

すぐに話は決まって、私は思わず驚いてしまった。



「……優月ちゃん、荷物はこれで全部?」

猛さんと話をしてから数日後の朝、私は非番のひかりちゃんに手伝ってもらって、引越しの準備をしていた。
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