桜花転生奇譚
そう言った怪異?――雅様は、小さくなる。雅様は普通のカラスくらいのサイズになると、ひかりちゃんの肩に乗った。

『我のことは、雅と呼んでもらって構わん。一応神様だが、お主の配下だからな。そこの人の子もだ。気軽に、雅と呼んでくれ。我は、様付けをされるのが恥ずかしくての……雅と呼んでくれると助かるのだが……』

そう言って、雅様は私の方を見る。雅様の言葉に、ひかりちゃんは「……分かりました」と頷いた。

『主は、我の主人だ。敬語は使わなくてよいぞ』

ひかりちゃんは、少し戸惑いながらも「……分かった」と返事をする。

『助かる。そう言えば、お主らの名前を聞いとらんかったな。我の話ばかりして、悪かった』

「えっと……九条ひかり、です」

「私は、末良優月です」

私とひかりちゃんが自己紹介をすると、雅様は『ひかり殿と優月殿だな。よろしく頼む』と言った。

「……優月ちゃん、とりあえず大江戸の町に行こっか」

ひかりちゃんの言葉に、私は頷くことしか出来なかった。



あの後、ひかりちゃんに町を見回りしながら簡単に仕事を教えてもらったけど、雅様のことが気になってあまり頭に入らなかった。

……ひかりちゃんは、気にしてなかったみたいだけど。
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