桜花転生奇譚
ひかりちゃんは、その時に「ようやく、たくさん絵が描ける!」と喜んでいた。

ひかりちゃん曰く、描くまでの準備をするのが面倒くさくて、ずっと絵を描くのを控えていたそうだ。

「……」

今書いてる小説が書けたら、ひかりちゃんに読んでもらって、小説のキャラでも描いてもらおうかな。

今私が書いているのは、私とひかりちゃんが前に住んでいた世界を舞台にしたファンタジーだ。

書いてて懐かしくなるとともに、ひかりちゃん以外の皆にバレないようにしなきゃ、という気持ちも湧いて出る。

私とひかりちゃん、そして桜様と雅様しか、私とひかりちゃんが転生者であることを知らないから。

小説を見られても、想像で書いたって言ったら大丈夫なんだろうけど……一応ね。

そんなことを考えながら、私は部屋に戻ると隊服から普段着へと着替える。

小説をしまっている押し入れを開けて、小説を書いている紙を手に取ると、文机の上に置いた。そして、鉛筆を手に取って紙に鉛筆を走らせる。

思い浮かんだシーンを、思い浮かんだ言葉のままに紙に書いていった。

前世から、小説執筆が好きだった。私しか知らない物語を、言葉を使って紡ぐ。それが、何よりも楽しかった。
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