桜花転生奇譚
「……九条、1つ魔石もらっていいか?」

魔石を眺めていた薬師寺さんは、顔を上げる。ひかりちゃんは「はい、大丈夫です」と頷いた。

「よし、これで薬が作れる。結衣さん、今から調合しますね。1時間くらいしたら薬が作れます。少し、お待ちくださいな」

薬師寺さんは結衣さんにそう言って、店の奥へと入っていった。

薬師寺さんが薬を完成させるまで、私とひかりちゃんは、結衣さんと話すことに。

その間、結衣さんは家族のことを色々と教えてくれた。

5歳年上の兄と2歳年下の妹がいること、2年前に兄が家を出ていき、両親と妹と4人で暮らしていた時期があったこと、1か月前に両親が名も無き男性を家族に迎え入れ、今は5人で暮らしていること。

「……最近家族に迎え入れた人は、みつるさんって言うんですけど……みつるさんのこと、どうも好きになれなくて……なんていうか、良い人を演じているように見えて……」

結衣さんは、新しく家族となったみつるさんって方に不信感を抱いているらしい。

「結衣さん、新しい薬が出来ました。これを母親に飲ませてあげてください」

その時、薬師寺さんが戻ってきた。薬師寺さんは、薬の入った袋を結衣さんに差し出す。

「ありがとうございます!」

結衣さんは、お礼を言うと薬を薬師寺さんから受け取った。
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