桜花転生奇譚



「……なるほど。2人が呑み込まれた怪異は、精神干渉型の怪異だ。名前の通り、呑み込んだ相手の精神に干渉して、弱らせるんだよ。それから呑み込んだ相手を、トラウマとなった場所へと連れていく……まぁ、それは相手にトラウマがある場合だけどね」

蒼さんに連れられて、私たちは研究所に来ていた。萌歌さんに事情を話せば、萌歌さんは近くにあった資料を手に取って、怪異のことを教えてくれる。

「2人は、怪異に食べられたわけじゃない。生きて、大江戸のどこかにいる。だけど、精神を弱らされているから、どんな行動に出るか分からない。そこが心配だ……出来る限り、早く2人を探し出そう。怪異の対処も早めにしないと」

「怪異の居場所なら、もう式神に探らせてる」

「……なら、蒼さんと優月さんは玲さんとひかりを探して。他は、屋敷で待機。何かあった場合のことを考えて」

萌歌さんの指示を聞いて、伊織さんとみどりさんは不服そうにしながらも頷いた。

「じゃあ、他の式神にも2人を探させる」

蒼さんは着物の懐から、まだ持っていたらしい式神護符を引っ張り出す。蒼さんが数枚の護符に魔力を流せば、蒼さんの式神である猫が数匹姿を現した。

蒼さんが式神に指示を出すと、式神は研究所の扉に向かって走り出す。そして、閉められた扉をすり抜けて消えていった。
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