桜花転生奇譚
そう答えれば、玲さんは「良かった。最近、この辺に犬と触れ合える茶屋が出来たらしい」と言う。

「犬と触れ合える茶屋……」

「今日は、そこに優月と行きたいと思ってな」

玲さんの方をチラリと見れば、玲さんの口元は緩んでいる。

玲さんは、ひかりちゃんみたいに感情があまり表に出ないタイプだ。だけど、最近の玲さんは前よりも感情が顔に出ることが多くなったと思う。

……といっても、微笑むようになった回数が少し増えたくらいだけど。

「行きたいです!」

久しぶりに犬と触れ合えることの喜びと玲さんと2人きりで行けることの嬉しさで、思わずテンションが上がってしまう。

どんな犬種がいるんだろう?キューちゃんみたいな柴犬がいたらいいな。

なんて、キューちゃんのことを思い出してしまって、私は少し寂しさを感じた。

玲さんの隣に並んで、私と玲さんは犬と触れ合える茶屋を目指す。

「……」

ふと、玲さんが足を止めた。私も足を止めて、玲さんの視線が向いている方を私も見る。

その先には、ひかりちゃんと蒼さんがいた。2人は隊服で、そういや2人は今日は日勤で、朝からみどりさんに用事を頼まれていたな……と思い出した。

みどりさんに、他に行きたいとこあったら行ってきていいからって言われていたっけ。

ふと、蒼さんの手がひかりちゃんの髪に触れる。蒼さんの動作は、何かを髪に付けているように見えた。
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