腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
翌日出勤すると、新薬部に鹿波さんの姿があった。
部長となにやらは話し込んでいる。おそらく小酒井先生の件だろう。
チラチラと様子を窺っていたら、笹倉さんが私のもとに駆け寄ってきた。
「梓川さん、おはようございます」
「おはよう」
「昨日大丈夫でしたか?」
すごく申し訳なそうに眉根を下げる彼女を見ていて、かえってこっちの方が気の毒になる。
「大丈夫だったよ。というか、鹿波さんが間に入ってうまく話をつけてくれて。小酒井先生もすべて納得してくれたから、もう変な誘いはしてこないと思う。小酒井先生のところのクリニック担当替えにもなるから、笹倉さんもこれでのびのび仕事ができるんじゃないかな」
いや、正確に言えば、脅して黙らせたと言った方が正しいが。
まさか本当のことは言えないので、オブラートに包んでみた。
「鹿波さんが……さすが我が社の顧問弁護士さんですね。あの小酒井先生を納得させるなんてすごいなぁ」
部長と話す鹿波さんに視線を送り、笹倉さんが何度か頷く。
その瞳がうっとりしているように見える。
言わずもがな、社内で鹿波さんに密かに憧れている女性社員は多いのだ。
イケメンでスタイル抜群で、そのうえ仕事もできて物腰がやわらかい(表向きは)ともなれば、必然とそうなるのも納得ではある。
「梓川さんも相談に乗ってくださってありがとうございました! 今度、一緒にご飯に行きましょう。お礼させてください」
「いやいや、私はなにもしてないから」
「梓川さんが話を聞いてくれなかったら、きっと私、あのまま病んでいたので。梓川さんは私の救世主です」
両手をぎゅっと握り、私を見つめてくる笹倉さんはやっぱりかわいい。
チラッと鹿波さんの方に目を向けると、フッと笑う彼と瞳が交わった。
あの顔は……きっとブラック鹿波さんの方だろう。
そんな予想を巡らせながら、私は思う。
そういえば、鹿波さんの相談とはいったいなんだったのだろうか。
折りをみて改めて聞いてみることにしよう。
部長となにやらは話し込んでいる。おそらく小酒井先生の件だろう。
チラチラと様子を窺っていたら、笹倉さんが私のもとに駆け寄ってきた。
「梓川さん、おはようございます」
「おはよう」
「昨日大丈夫でしたか?」
すごく申し訳なそうに眉根を下げる彼女を見ていて、かえってこっちの方が気の毒になる。
「大丈夫だったよ。というか、鹿波さんが間に入ってうまく話をつけてくれて。小酒井先生もすべて納得してくれたから、もう変な誘いはしてこないと思う。小酒井先生のところのクリニック担当替えにもなるから、笹倉さんもこれでのびのび仕事ができるんじゃないかな」
いや、正確に言えば、脅して黙らせたと言った方が正しいが。
まさか本当のことは言えないので、オブラートに包んでみた。
「鹿波さんが……さすが我が社の顧問弁護士さんですね。あの小酒井先生を納得させるなんてすごいなぁ」
部長と話す鹿波さんに視線を送り、笹倉さんが何度か頷く。
その瞳がうっとりしているように見える。
言わずもがな、社内で鹿波さんに密かに憧れている女性社員は多いのだ。
イケメンでスタイル抜群で、そのうえ仕事もできて物腰がやわらかい(表向きは)ともなれば、必然とそうなるのも納得ではある。
「梓川さんも相談に乗ってくださってありがとうございました! 今度、一緒にご飯に行きましょう。お礼させてください」
「いやいや、私はなにもしてないから」
「梓川さんが話を聞いてくれなかったら、きっと私、あのまま病んでいたので。梓川さんは私の救世主です」
両手をぎゅっと握り、私を見つめてくる笹倉さんはやっぱりかわいい。
チラッと鹿波さんの方に目を向けると、フッと笑う彼と瞳が交わった。
あの顔は……きっとブラック鹿波さんの方だろう。
そんな予想を巡らせながら、私は思う。
そういえば、鹿波さんの相談とはいったいなんだったのだろうか。
折りをみて改めて聞いてみることにしよう。