腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
「不安にさせて悪かった。全部誤解だ。あれは俺の妹だ」
「い、妹?」
「そうだ。今、アメリカから彼氏と一緒に一時帰国していて、あのホテルに滞在しているんだ」
予想外の答えが返ってきて、全身の力が抜けていく。同時にははっ……と乾いた笑いが漏れた。
私のバカ! バカバカバカ!
勝手に勘違いした挙句、紫苑さんにあんな失礼な言動をして自分を守ろうとしていたなんて……最低すぎる。
「勝手に勘違いして酷いことを言って本当に、本当にすみませんでした!」
「いや、細井に動画なんか撮られる前に、きちんと妹を紹介しておかなかった俺の落ち度だ」
座っているベンチに頭をつけそうな勢いで謝罪していたら、ふいに肩に手を置かれ姿勢を戻された。
「萌音が謝る必要はない。すべては最初にズルいやり方で君を縛りつけた俺が悪い。すまなかった。本当は……ずっと萌音のことが好きだった。今でも君だけを想ってる」
「紫苑さん……」
「もう一度だけ、俺を信じて共に歩んでくれないか?」
いつだって自信にあふれていて余裕たっぷりだった彼が、不安げに瞳を揺らして真っ直ぐに見据えてくる。
過去に婚約破棄を宣言され、不安と絶望に突き落とされたときの自分と重なった。
紫苑さんはすべてにおいて完璧で、誰もが憧れ羨む存在であるけれども、感情のある普通の人間なのだと気づいた。
なんだか親近感が湧いてきて、頬が緩む。
いろんな感情が巡っていてぐちゃぐちゃだ。
それでも、ひとつだけ私の中で確かなことがある。
「私も紫苑さんのことが好きです。だから一緒にいたいです」
正直に気持ちを吐露すると、紫苑さんの瞳が一瞬、見開かれ、その後じんわりと滲むのが見えた。
「やっと全部、俺のものだ。愛してる、萌音……」
紫苑さんがそっと私の両頬を温かな手で包み込み、真っすぐに見つめてくる。そのやわらかな瞳に引き込まれるように、ふたりの唇が重なり合うまではさほど時間はかからなかった。
「い、妹?」
「そうだ。今、アメリカから彼氏と一緒に一時帰国していて、あのホテルに滞在しているんだ」
予想外の答えが返ってきて、全身の力が抜けていく。同時にははっ……と乾いた笑いが漏れた。
私のバカ! バカバカバカ!
勝手に勘違いした挙句、紫苑さんにあんな失礼な言動をして自分を守ろうとしていたなんて……最低すぎる。
「勝手に勘違いして酷いことを言って本当に、本当にすみませんでした!」
「いや、細井に動画なんか撮られる前に、きちんと妹を紹介しておかなかった俺の落ち度だ」
座っているベンチに頭をつけそうな勢いで謝罪していたら、ふいに肩に手を置かれ姿勢を戻された。
「萌音が謝る必要はない。すべては最初にズルいやり方で君を縛りつけた俺が悪い。すまなかった。本当は……ずっと萌音のことが好きだった。今でも君だけを想ってる」
「紫苑さん……」
「もう一度だけ、俺を信じて共に歩んでくれないか?」
いつだって自信にあふれていて余裕たっぷりだった彼が、不安げに瞳を揺らして真っ直ぐに見据えてくる。
過去に婚約破棄を宣言され、不安と絶望に突き落とされたときの自分と重なった。
紫苑さんはすべてにおいて完璧で、誰もが憧れ羨む存在であるけれども、感情のある普通の人間なのだと気づいた。
なんだか親近感が湧いてきて、頬が緩む。
いろんな感情が巡っていてぐちゃぐちゃだ。
それでも、ひとつだけ私の中で確かなことがある。
「私も紫苑さんのことが好きです。だから一緒にいたいです」
正直に気持ちを吐露すると、紫苑さんの瞳が一瞬、見開かれ、その後じんわりと滲むのが見えた。
「やっと全部、俺のものだ。愛してる、萌音……」
紫苑さんがそっと私の両頬を温かな手で包み込み、真っすぐに見つめてくる。そのやわらかな瞳に引き込まれるように、ふたりの唇が重なり合うまではさほど時間はかからなかった。