腹黒策士な弁護士が甘い王子様の仮面を被ってモブの私を誘惑してきます
「今日はこの辺で止めておこうか?」
 ベッドの上でぐったりとしている私を見て紫苑さんがそう言う。
 どうやらチュンチュンシーンまでにはまだ過程があるらしい。
 未知の体験にすでに疲労困憊である。でも、なぜだろう。
 内を巡る疼きがいまだに消えなくて、体がこの先を求めているのはもはや明白だった。
「止めたくないです。私が知らないこと、もっと教えてください」
「そんな艶っぽい表情でお願いされたら、さすがに俺も理性を保てそうにないかも」
 悪い笑みを浮かべた紫苑さんの目はどこかギラギラして見える。
 それでもそのあと、言葉とは裏腹に、優しく私の体に触れてくれてそんな気遣いがうれしかった。直に肌を触れ合わせると、温かな温もりに包まれてとてつもなく幸せで愛されているという実感がある。
 ふいに『男に大切にされたらどんな気持ちになるのか、俺が教えてやる』と紫苑さんに言われた日のことが脳裏を掠めた。
 今ならその意味が、気持ちが、すごく分かる気がする。
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