トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
そして次の日――



目が覚めて何気なくテレビをつける

その瞬間

飛び込んできた文字に胸が締め付けられた



【黒騎士 活動休止発表】

【人気グループ突然の決断】

【桜庭奏報道の影響か】



画面いっぱいに映し出される文字

昨日、自分たちで決めたことだ

覚悟もしていた

それなのに実際にニュースとして流れると現実味が違った

リモコンを握る手に力が入る

どの局も同じ話題だった

朝の情報番組

ニュース番組

ネット配信

どこを見ても黒騎士だった

過去のライブ映像

バラエティで笑っている映像

ドームツアーの映像

それらが次々と流されていく

まるで黒騎士という存在を振り返る特集みたいだった

俺はソファへ腰を下ろした

テレビからアナウンサーの声が流れる

「昨日、人気アイドルグループ黒騎士が活動休止を発表しました」

「桜庭奏さんを巡る一連の報道を受けての決断と見られています」

画面が切り替わる

今度はコメンテーターたちが並んでいた

一人が口を開く

「私はこの決断は仕方なかったと思います」

「グループとして活動を続けるには厳しい状況でした」

別のコメンテーターが続く

「ただ、今回の件はまだ結論が出ていません」

「桜庭さん本人も非常に苦しい状況に置かれているようです」

また別の人が言う

「活動休止は残念ですが、まずは心身の回復を優先してほしいですね」

以前とは違った

少なくとも

最初の頃みたいに一方的に叩く声ばかりじゃない

それだけでも少し救われる

スマホが震えた

蒼依からだった

『朝からテレビ見て凹んでるっす』

思わず苦笑する

数秒後

優朔からも来る

『どの局も黒騎士だな』

短い文章

でも

きっと同じ気持ちなんだろう

俺は二人へ返信した

『俺も見てる』

送信して

再びテレビへ目を向ける

すると

コメンテーターがこんなことを言った

「活動休止は大きな損失です」

「ただ、私は今回の件でメンバーも被害者だと思っています」

その言葉に少しだけ驚いた

二か月前なら絶対に聞けなかった言葉だ

世論は少しずつ変わっている

本当に少しずつだけど

確実に

その時

再びスマホが鳴る

今度は黒瀬さんだった

『奏には社長が直接連絡した』

短い文章

その後に続く

『活動休止の件も説明済み』

俺はすぐ返信する

『奏はなんて言ってました?』

数秒後

返事が来た

『最初は謝ってたらしい』

胸が痛む

あいつらしい

何も悪くないのに

また自分を責めたんだろう

でも黒瀬さんから続けて送られてきた文章を見て

少しだけ安心した

『社長に言われたそうだ』

『今はお前が休むことが仕事だって』

思わず笑ってしまった

確かに

社長なら言いそうだ

そして最後にこう書かれていた

『泣いていたらしい』

スマホを握る

窓の外を見る

奏もきっと今頃

実家でこのニュースを見ている

活動休止

自分のせいだと思っているかもしれない

でも違う

俺たちが決めたことだ

黒騎士全員で決めたことだ

だから背負わせるつもりはない

俺はテレビを消した

静かになった部屋

その静寂の中で思う

今は止まっているように見える

でも終わったわけじゃない

黒騎士はまだ終わらない

必ず

もう一度四人でステージへ戻る

その日まで

俺たちは待つ

そして戦う

真実を取り戻すために
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