トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
紗凪side
最近、陽貴くんとはすれ違いの毎日が続いている
私が重い身体を起こして仕事へ向かう頃には、彼の部屋の扉はもう閉まっていて
逆に私が疲れ果てて帰宅する頃、彼は一縷の希望を抱いて奏くんの病院へと向かっている
さらに、陽貴くんがようやく家に戻ってくる真夜中には、今度は私が夜勤のナースステーションにいたり、緊迫したフライト待機室の硬い椅子に座っていたり
ここ数日は、お互いの顔すらまともに合わせられない日が増えていた
「寂しくない」と言えば、それは間違いなく嘘になる
だけど、今の私はそんな我が儘を口にしていい立場じゃない
誰よりも限界を迎えているのは、他でもない陽貴くん自身のはずだからだ
病床で戦う奏くんのこと、混迷を極める『黒騎士』の未来、そして事務所にのしかかる重い責任
そのすべてを、彼はあの大きな背中に一人で背負い込んでいる
だからこそ、私はただ静かに、彼の負担にならないように祈ることしかできなかった
そんな過酷な日々のなか、数日前に陽貴くんの口から、事務所にやってきた一人の女性の話を聞いた
ライバル会社の内部告発
闇に葬られかけていた真実が克明に刻まれた、あの録音データ
「これで、奏の無実を証明できるかもしれないんだ」そう語る彼の話を聞いた瞬間、私は自分のことのように胸が熱くなり、本当に、心の底から嬉しさが込み上げてきた
もちろん、これで全てが綺麗に終わったわけじゃない
ここから泥沼の裁判が始まるのだろうし、一度歪んでしまった世間の目がすぐには元に戻らないことも分かっている
それでもあの夜を境に、メンバーみんなの表情が、凍てついていた氷が融けるように少しだけ明るくなった気がした
何より、陽貴くんが本当に久しぶりに、心からの優しい笑顔を見せてくれた
だから、きっと大丈夫……
私は自分の胸にそう言い聞かせるように、強く信じたかった
最近、陽貴くんとはすれ違いの毎日が続いている
私が重い身体を起こして仕事へ向かう頃には、彼の部屋の扉はもう閉まっていて
逆に私が疲れ果てて帰宅する頃、彼は一縷の希望を抱いて奏くんの病院へと向かっている
さらに、陽貴くんがようやく家に戻ってくる真夜中には、今度は私が夜勤のナースステーションにいたり、緊迫したフライト待機室の硬い椅子に座っていたり
ここ数日は、お互いの顔すらまともに合わせられない日が増えていた
「寂しくない」と言えば、それは間違いなく嘘になる
だけど、今の私はそんな我が儘を口にしていい立場じゃない
誰よりも限界を迎えているのは、他でもない陽貴くん自身のはずだからだ
病床で戦う奏くんのこと、混迷を極める『黒騎士』の未来、そして事務所にのしかかる重い責任
そのすべてを、彼はあの大きな背中に一人で背負い込んでいる
だからこそ、私はただ静かに、彼の負担にならないように祈ることしかできなかった
そんな過酷な日々のなか、数日前に陽貴くんの口から、事務所にやってきた一人の女性の話を聞いた
ライバル会社の内部告発
闇に葬られかけていた真実が克明に刻まれた、あの録音データ
「これで、奏の無実を証明できるかもしれないんだ」そう語る彼の話を聞いた瞬間、私は自分のことのように胸が熱くなり、本当に、心の底から嬉しさが込み上げてきた
もちろん、これで全てが綺麗に終わったわけじゃない
ここから泥沼の裁判が始まるのだろうし、一度歪んでしまった世間の目がすぐには元に戻らないことも分かっている
それでもあの夜を境に、メンバーみんなの表情が、凍てついていた氷が融けるように少しだけ明るくなった気がした
何より、陽貴くんが本当に久しぶりに、心からの優しい笑顔を見せてくれた
だから、きっと大丈夫……
私は自分の胸にそう言い聞かせるように、強く信じたかった