トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
イントロの重低音が流れ出した瞬間、身体が思考を追い越して自然と躍動し始めた

何百回、何千回と狂ったように歌い込んできたメロディ

身体に染みつくまで徹底的に叩き込んできた、お互いの呼吸

忘れるはずがなかった

それなのに、胸の奥からせり上がってくる熱い塊のせいで、目頭が熱くなる

サビに入ると同時に、俺たちはステージを縦横無尽に駆け巡り、声を張り上げ、全力で歌い踊った

三人で

けれど、その中心には、ぽっかりと不自然に空いたスペースが存在している

カメラのレンズも、鮮烈な照明も、あえてそこを避けるような不自然な動きはしない

むしろ、ありのままの「空席」として、冷徹に画面に映し出していく

その美しくも切ない空白を見つめながら、俺は激しくステップを踏み、心の中で強く想っていた

今はまだ、これでいい

無理に誰かで埋める必要なんて、一ミリだってありはしない

この場所は、あいつが闘病を終えて戻ってくるその日のために、俺たちが命がけで守り続ける、帰るべき場所だから

曲が終盤へと向かうなか、激しく動く視界の隅で、客席のファンの姿が捉えられた

涙をボロボロと流しながら俺たちの名前を叫ぶ人

復帰を祝って、弾けるような笑顔を向けてくれる人

そして

——俺たちの真ん中にある、あの「空席」を、愛おしそうに見つめている人

きっと、伝わっているんだ

言葉にしなくとも、俺たちが何を背負ってここに立っているのかが、痛いほど届いている

最後のポーズを決め、激しい音楽がピタリと止まる

一瞬の、静寂

次の瞬間、スタジオの天井を突き破るかのような、凄まじい拍手と地鳴りのような歓声が鳴り響いた
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