トップアイドルは白衣の天使に恋をする-Rebirth-
トップアイドルなんて派手な肩書きを持って生まれたせいで
僕は彼女に、普通の恋人なら当たり前にできる『会いたい時にすぐ会う』という幸せを、何一つ与えてあげられない
電波すら入らない山奥で寂しさに耐えかねて一人で泣いているかもしれない梓を想うと、胸の奥がきりきりと締め付けられるように痛む
だったら、せめて――
僕は机の上のノートを引き寄せると、キャップを外したボールペンを走らせた
デジタルな文字じゃ伝わらない僕の熱量を、少しでも彼女の近くに置きたくて、直筆で手紙を綴っていく
『梓へロケに出てから3週間、なかなか連絡できなくて本当にごめんね――』
一文字一文字に、溢れそうな愛おしさをこれでもかと込める
そして、東京のマネージャーに急遽連絡を入れ、あるものを僕の代わりに彼女の元へ届けるよう手配した
付き合う前、まだ僕たちが今より少しだけぎこちなかった頃
2人で何気なく雑誌を見ていたとき、梓が「これ、可愛いね」と小さく呟いていた、ピンクゴールドのネックレス
本当は、僕が直接彼女の華奢な首元につけて、その白くて綺麗な鎖骨に触れたかった
だけど、離れているこの残酷な時間だけは、そのピンクゴールドのモチーフに僕の身代わりになってもらう
僕の代わりに彼女の肌に触れて、僕がどれだけ彼女に執着しているか、その重すぎる愛を伝えてほしかった
手紙を書き終えた翌日、マネージャーから「七瀬さんに指定の荷物、無事に届けました」と短いメールが入った
ちょうどその時、ロケ地は激しい雨が降りしきり、撮影が一時中断していた
僕はロッジの窓ガラスを叩く雨音を聞きながら、今頃あの箱を開けているだろう梓の姿を想像する
今、つけてくれてるかな喜んでくれてる?
僕が贈ったネックレスを身につけて、あの林檎みたいに真っ赤な顔をして照れている彼女を想像しただけで、狂おしいほどの独占欲が首をもたげた
手紙の最後に書いた言葉を、頭の中で何度も反芻する
【あと1週間で撮影が終わるから、帰ったらすぐに会いに行くね大好きだよ】
「待っててね、梓帰ったら、もう絶対に離さないから」
あと、たったの1週間
愛しい彼女に溺れ、外で我慢した分の独占欲をすべてぶつける、最高に甘い時間を思い描きながら
僕はスマートフォンの画面の中の天使にそっと指先で触れ、この過酷なロケを完璧に終わらせるためのエネルギーを、これでもかと胸に滾らせていた
僕は彼女に、普通の恋人なら当たり前にできる『会いたい時にすぐ会う』という幸せを、何一つ与えてあげられない
電波すら入らない山奥で寂しさに耐えかねて一人で泣いているかもしれない梓を想うと、胸の奥がきりきりと締め付けられるように痛む
だったら、せめて――
僕は机の上のノートを引き寄せると、キャップを外したボールペンを走らせた
デジタルな文字じゃ伝わらない僕の熱量を、少しでも彼女の近くに置きたくて、直筆で手紙を綴っていく
『梓へロケに出てから3週間、なかなか連絡できなくて本当にごめんね――』
一文字一文字に、溢れそうな愛おしさをこれでもかと込める
そして、東京のマネージャーに急遽連絡を入れ、あるものを僕の代わりに彼女の元へ届けるよう手配した
付き合う前、まだ僕たちが今より少しだけぎこちなかった頃
2人で何気なく雑誌を見ていたとき、梓が「これ、可愛いね」と小さく呟いていた、ピンクゴールドのネックレス
本当は、僕が直接彼女の華奢な首元につけて、その白くて綺麗な鎖骨に触れたかった
だけど、離れているこの残酷な時間だけは、そのピンクゴールドのモチーフに僕の身代わりになってもらう
僕の代わりに彼女の肌に触れて、僕がどれだけ彼女に執着しているか、その重すぎる愛を伝えてほしかった
手紙を書き終えた翌日、マネージャーから「七瀬さんに指定の荷物、無事に届けました」と短いメールが入った
ちょうどその時、ロケ地は激しい雨が降りしきり、撮影が一時中断していた
僕はロッジの窓ガラスを叩く雨音を聞きながら、今頃あの箱を開けているだろう梓の姿を想像する
今、つけてくれてるかな喜んでくれてる?
僕が贈ったネックレスを身につけて、あの林檎みたいに真っ赤な顔をして照れている彼女を想像しただけで、狂おしいほどの独占欲が首をもたげた
手紙の最後に書いた言葉を、頭の中で何度も反芻する
【あと1週間で撮影が終わるから、帰ったらすぐに会いに行くね大好きだよ】
「待っててね、梓帰ったら、もう絶対に離さないから」
あと、たったの1週間
愛しい彼女に溺れ、外で我慢した分の独占欲をすべてぶつける、最高に甘い時間を思い描きながら
僕はスマートフォンの画面の中の天使にそっと指先で触れ、この過酷なロケを完璧に終わらせるためのエネルギーを、これでもかと胸に滾らせていた