お酒のせいにできない
隣の遼に目を向ける。彼は頼んだドリンクに口をつけていた。結菜の視線が徐々に遼の指先へと移動していく。頭は動かさずに目だけで理想の指を盗み見る。永遠に眺めていられる指。
遼の魅力的な指に引き込まれすぎて、いくつもの声や音が重なり合って起きる喧騒が遠のいていく。身体に熱が籠もり、通常よりも速い心音が耳に響く。酔いが回ってきている。指に触れたくなってくる。
結菜は衝動に突き動かされるがまま、遼の指に向かって手を伸ばした。コントロールできない。遼の指以外の全てがただの背景と化する。
結菜の欲望など知る由もない遼が、グラスから指を離した。誰も彼も、本人すらも、その指を意識などしていない。
他人に触られるとは思っていない無防備な指に、自制ができなくなっている結菜はひたと触れた。触れてしまった。念願の接触を果たし、聞こえていた音がますます遠くなった。
遼のリアクションなど気にも留めず、結菜は自分の世界に入り込んでしまった。夢見心地な気分のまま、憧れの指を撫でたり握ったりして弄び堪能する。
この指が、自分の肌を滑ったら。この指に、女として扱われたら。ただ触れるだけでは満足できなかった結菜の思考が暴走する。
自分は欲のない人間だと思っていた。触れば満たされると思っていた。それくらいの些細な欲求だと思っていた。
間違いだった。安易な考えだった。触れたら触れた分だけ足りなくなって、動物的な本能で求めてしまう。触られたい。触ってほしい。
一人で高揚する結菜は、徐に遼の手を引き寄せた。振り解かれないせいで、余計に止まらなくなる。外界との距離がどんどん広がっていく。遼の指以外何も見えない。誰かが発する声や音も何も聞こえない。
自分の存在すらもあやふやになりそうな頼りない空間で、惚けた結菜は遼の指に頬を寄せた。感じる温もりが欲求を刺激する。
遼の魅力的な指に引き込まれすぎて、いくつもの声や音が重なり合って起きる喧騒が遠のいていく。身体に熱が籠もり、通常よりも速い心音が耳に響く。酔いが回ってきている。指に触れたくなってくる。
結菜は衝動に突き動かされるがまま、遼の指に向かって手を伸ばした。コントロールできない。遼の指以外の全てがただの背景と化する。
結菜の欲望など知る由もない遼が、グラスから指を離した。誰も彼も、本人すらも、その指を意識などしていない。
他人に触られるとは思っていない無防備な指に、自制ができなくなっている結菜はひたと触れた。触れてしまった。念願の接触を果たし、聞こえていた音がますます遠くなった。
遼のリアクションなど気にも留めず、結菜は自分の世界に入り込んでしまった。夢見心地な気分のまま、憧れの指を撫でたり握ったりして弄び堪能する。
この指が、自分の肌を滑ったら。この指に、女として扱われたら。ただ触れるだけでは満足できなかった結菜の思考が暴走する。
自分は欲のない人間だと思っていた。触れば満たされると思っていた。それくらいの些細な欲求だと思っていた。
間違いだった。安易な考えだった。触れたら触れた分だけ足りなくなって、動物的な本能で求めてしまう。触られたい。触ってほしい。
一人で高揚する結菜は、徐に遼の手を引き寄せた。振り解かれないせいで、余計に止まらなくなる。外界との距離がどんどん広がっていく。遼の指以外何も見えない。誰かが発する声や音も何も聞こえない。
自分の存在すらもあやふやになりそうな頼りない空間で、惚けた結菜は遼の指に頬を寄せた。感じる温もりが欲求を刺激する。