別れてくれない?浮気性彼氏くん。
「ね、姉さん…」


姉さんがずんずん歩み寄ってくる。


その顔には、若干藍色が走っている。


体調悪いのかな……?


いや、待って、もしかして私も、投げられる…!?


そう思うと怖くて、余計に動けなくなってしまった。


けれど――


「乃慧、大丈夫?どこか痛い?」


姉さんのさっきとは真逆の優しい瞳が私を捉えて。


その眼差しに、緊張の糸がスルスルほどけていった。


「あ、い、痛くないよ」


「本当に?ならよかった…」


「良いの?父さんたちにあんなことして」


そう問うと、姉さんは首を横に振った。


「お姉ちゃんは、いや、お姉ちゃんとこの力は、大好きな妹を守るためにあるんだから!」


そう自慢げに話す姉さんを見て、久しぶりに『フッ』と笑いがこぼれた―――。
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