別れてくれない?浮気性彼氏くん。
――ピーポーピーポー……
「姉さん…紅映姉さん……っ」
今、救急車の中。
目線の先には、酸素マスクを付けた姉さんがいる。
「お嬢さん、あなた…妹さんの乃慧さんですか?」
「はい……」
「乃慧さんですか。ありがとうございます。」
感謝されても何も感じず、ただただコクリと頷くだけ。
「きっと治りますから」
あとで分かったことだけれど、その看護師さんはいつも姉さんが入院するときお世話をしていてくれた人だったらしい。
* * *
「今すぐ酸素マスクを!」
「紅映さん!!!」
心電図の波が、どんどん…小さく……
姉さんの手を強く握る。
「姉さん?わたしがいるけんよ?」
姉さんの出身の福岡の方弁。
姉さんのためだけに練習したから、違和感はないと思う。
「乃慧…最後にね…ゲホッ、い、言いたいことが、ある…っ」
「さい、ごっ……」
そうだ、最後なんだ…いや、最期なんだ……。
「紅映さん!無理してしゃべ…んっ」
あのいつも担当していてくれていた看護師さんが、ある看護師さんの言おうとしていた口をバッと塞いだ。
「乃慧、愛してる…っ」
そのはっきりした言葉を最期に―――
「姉さん―――ッ!!」
――ピー、ピー、ピー…
止まった、波……
「姉さん…紅映姉さん……っ」
今、救急車の中。
目線の先には、酸素マスクを付けた姉さんがいる。
「お嬢さん、あなた…妹さんの乃慧さんですか?」
「はい……」
「乃慧さんですか。ありがとうございます。」
感謝されても何も感じず、ただただコクリと頷くだけ。
「きっと治りますから」
あとで分かったことだけれど、その看護師さんはいつも姉さんが入院するときお世話をしていてくれた人だったらしい。
* * *
「今すぐ酸素マスクを!」
「紅映さん!!!」
心電図の波が、どんどん…小さく……
姉さんの手を強く握る。
「姉さん?わたしがいるけんよ?」
姉さんの出身の福岡の方弁。
姉さんのためだけに練習したから、違和感はないと思う。
「乃慧…最後にね…ゲホッ、い、言いたいことが、ある…っ」
「さい、ごっ……」
そうだ、最後なんだ…いや、最期なんだ……。
「紅映さん!無理してしゃべ…んっ」
あのいつも担当していてくれていた看護師さんが、ある看護師さんの言おうとしていた口をバッと塞いだ。
「乃慧、愛してる…っ」
そのはっきりした言葉を最期に―――
「姉さん―――ッ!!」
――ピー、ピー、ピー…
止まった、波……