お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 ぽつりと零された声が小さすぎて、うまく聞き取れない。思わず聞き返すと、はる君は何事もなかったみたいにニコリと笑って首を横に振る。


「あーなんでもない……ちょっと、ミーティングルームに油断できない虫がいると思っただけだよ」


 む、虫……? そんなのいただろうか……?

 はる君はよくわからないことを言ってまた笑ったけれど、その目の奥は少しも笑っていなくて、思わず、ひぇっと叫びそうになる。


「隙あらば君を狙う虫は多そうだから、気をつけてほしい。それよりも――」


 冗談なのか本気なのか判断に困っていると、はる君は何事もなかったように話題を切り替えた。


「――仕事のことで、聞きたいことがあるのも本当なんだけど、モデル起用の件は、みのりが担当していると聞いた。今、どんな状況か教えてもらってもいいかな?」


 これが本題じゃないの……? すでに本題を済ませたような言い方が気になったけれど、深く考えても答えは出そうにない。
 それに、その件については私も少し困っていたところだったから、私は素直に仕事の話へ意識を切り替えることにした。


「あ、それについてですが――」


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