お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 はる君は、そんな私の気持ちを察してくれたのだろう。穏やかに微笑んだまま、鶴岡さんへ視線を向けた。


「彼女にもイベントの件で個人的に確認したいことがありまして。少し、お借りしても?」


 丁寧な口調とは裏腹に、有無を言わせない空気がある。
 鶴岡さんは一瞬たじろぎ、慌てて背筋を伸ばした。


「も、もちろんです」


 私は鶴岡さんにぺこりと頭を下げ、はる君の背を追って休憩室をあとにした。



 休憩室を出ると、はる君はそのまま廊下を歩き出した。
 私はその背中を追い、周囲の視線から解放されてほっと胸を撫で下ろしながらも、少しだけ落ち着かない気持ちになる。

 場所を変えてくれたのは嬉しいが〝イベントの件で確認〟と言っていた。鶴岡さんも何やら私に話がある様子だったし……もしかして私、知らない間に何かやらかしてしまっている……? 

 もんもんしたままあとに続いていると、人気のないエレベーターホールまで来たところで、はる君が足を止めた。


「……ほんと油断ならない。下心がありそうだと思ったけど、やっぱりそういうことか……」

「へ……?」


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