お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 私とのやり取りを見て、目の前の彼もまた大道寺グループの御曹司だと察したのだろう。双子の兄弟が、それぞれホテル事業と不動産事業を担っていることは、業界内では有名な話だった。


「それじゃ、また明日」


 そう言い残し、鶴岡さんは爽やかに自分の部屋へ戻っていった。

 

 ◇◇◇
 

 部屋に荷物を置いたあと、私は陸君の案内でレストランへ向かった。

 鶴岡さんの様子が、ほんの少しだけ気になったけれど、あの場で身を引いてくれたのは、久々に対面した私たちに気を遣ってくれたからだろう。

 突然予定を変えてしまったことに申し訳なさを感じながらも「また改めよう」と笑ってくれた言葉に甘えて、今日は久々に再会した陸君と食事をすることにした。

 案内されたのは、ナイトプールに面した高級レストランのテラス席だった。

 プールは淡くライトアップされ、水面が静かに揺れている。昼間の賑やかな雰囲気とはまるで違う、大人びた空間だ。

 席に着いて注文を終えると、陸君はメニューを閉じながら、困ったように眉を下げる。


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