お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
「突然、誘ってごめんね。それも上司と約束していた空気だったのに……。三日前からこっち(シンガポール)に仕事の都合で滞在してたんだけど、兄さんからみのりちゃんがくるって聞いて、出来れば会いたいと思っていたからさ――」


 謝罪する陸君に、首を横に振って「大丈夫だよ」と笑いかける。

 実際、私も久しぶりに陸君に会えて嬉しいと思う。はじめは気まずさが先立ってしまっていたけれど、こうして昔と変わらない調子で接してくれることに、胸の奥が温かくなる。


「元気そうで、よかった。今はニューヨークにいるんだっけ?」

「うん、兄さんがこっちに戻るのと一緒に、俺もニューヨークに戻ったよ。父さんに言われてホテル事業の方もやってみたけど、やっぱり俺は不動産事業の方が向いてるや」


 明るく笑いながら、陸君はそう言った。

 陸君は現在、大道寺グループの不動産事業を担うCEOという立場にあり、海外案件にも深く関わっている。今回も、シンガポールで進む大型開発計画の調整を兼ねて滞在しているらしい。

< 203 / 339 >

この作品をシェア

pagetop