お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
「まあ、確かに、自社からの起用は珍しくありませんよね。スケジュールの融通も利きますし、コスト面でもメリットがあります。それに、俺はともかく向坂みたいな美人なら、十分、務まるでしょうし――」


 鶴岡さんが少し思案したあと、陸君の提案にまさかの同調の姿勢を見せる。それもなんだかやけに嬉しそうだ。

 美人とか、務まるとか、ちょっと、待って……

 私は、思わず息を呑んだ。


「向坂……俺は大道寺CEOの提案、いいと思うが、君は――」

「待ってください……っ」


 気づけば、反射的に声を上げていた。

 私の意見を聞こうとしていた鶴岡さんと、微笑んでいた陸君が、同時にこちらを見る。


「みのり、ちゃん……?」


 陸君の心配そうな声が聞こえたが、私はぎゅっと膝の上で手を握りしめながら、どうにか言葉を絞り出した。


「陸君の……CEOの提案は素晴らしいと思います。でも、私がそんな大事なイベントで、モデルを務めるのは――……」


 たくさんの観客がいるなか、ウエディングドレスを着て歩く自分を想像して……自然と視線が床に落ちた。


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