お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 チケットもはる君がすでに準備してくれていて、客席へとエスコートされる。
 客席は、紅色で統一された、外の世界とは切り離されたような静寂に包まれた空間だった。
 時間になると、やがて場内の灯りがゆっくりと落ちていき、舞台の幕が上がり演目が始まった。


 ――演目は、庶民育ちの素朴な女性が、華やかな社交界へと見出されていくストーリーだった。

 ありがちなシンデレラストーリー。最初はそんな風に、どこか他人事のように眺めていた。
 酒場でひどい扱いを受けていた彼女に、美貌の貴族が気まぐれに興味を持ち、淑女として育てることを決める。厳しい教育に耐え、見違えるような淑女へと変わっていく舞台の上の彼女。ともに過ごす時間が長くなるにつれ、最初は身分違いのおもちゃのようだった関係は、いつしか互いを特別に想い合う恋へと変わっていった。

 けれど、物語が中盤を過ぎ、ふたりがすれ違いを迎えたとき、私はいつの間にか膝の上で拳を握りしめていた。

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