お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 白く輝く船体は、まるで海に浮かぶ高級ホテルみたいで、幾重にも重なるデッキと大きなガラス窓が、夏の日差しを受けて眩しく煌めいている。

 青い海には陽光がきらきらと反射し、その壮大な光景に思わず息を呑んだ。

 唖然としたまま、私はぽかんと口を開けてしまう。
 幼い頃に家族で訪れたことはあるが、ほとんど記憶にはない。大道寺グループはホテル事業の延長でクルーズにも関わっていると聞いたことがあるが、きっと、ここもそのひとつなのだろう。


「ここなら、人目を気にせず、ふたりの時間を楽しめると思ってね。みのりには、俺だけのことを見ていて欲しいし」


 はる君は相変わらずの砂糖菓子のような台詞を口にしながら私を船内にエスコートするが、その言葉の奥からさりげない気遣いを感じて、胸の奥がじんわりと温かくなった。

 このクルーズは、限られた招待客だけが参加できる特別な企画らしく、今夜出航し明日の昼頃には再びターミナルへ戻る短期航路なのだと言っていた。こういった格好をすることで、人目を気にしてしまう私のことを、さりげなく配慮してくれているのだろう。

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