お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
「……なにも聞いてないですよ……ですが、モデルが誰であろうと、やることは変わりませんよね。素敵なイベントにするために尽力しましょうね」


 口にした途端、喉の奥から熱いモノがこみあげてくるようだった。

 ああ、もう、仕事中なのに……


「――ちょっと、すみません。忘れ物したので、ミーティング前に取ってきますね……」
「あ、向坂……!?」


 私は誤魔化すように頭を下げ、そのまま休憩室をあとにした。

 鶴岡さんは慌てたように何かを言いかけていたけれど、今はもう、これ以上誰かと話せる余裕がなかった。

 頭の中がぐちゃぐちゃで……うまく整理できない。

 その後のミーティング中も、鶴岡さんの報告を聞きながら気を抜けば意識が別の方向へ引っ張られてしまいそうだった。

 私たちは、先日のデートのあとから正式に付き合い始めたばかりで……もちろん、婚約なんて段階には至っていない。つまり、女性社員たちが噂していた〝婚約者〟も、今回彼と一緒にモデルを務めるパートナーも、私ではないのだ。


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