お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 出張中そんな連絡もあったらしい。その代案というのが、まさかの大道寺社長夫妻がモデルを務める案だと聞いたときには思わず卒倒しそうになったが、はる君が私の気持ちを優先して、ギリギリまで返事を保留にすることまで見越していたようだ。

 くすりと笑い合って、空気が静かに落ち着いていく。
 はる君は私の手を包み込むように握ったまま、まっすぐに瞳を合わせてきた。その表情だけで、彼が何を口にしようとしているのか、伝わって来た。


「みのり」


 はる君は静かに口にした。私も彼を静かに見つめる。


「……最初は、自社のイベントだから協力すべきだと思ったし、みのりが他の男とバージンロードを歩くなんて嫌だったから、引き受けようと思った。……でも、それだけじゃなかった。たとえ模擬挙式でも、俺が一緒に歩きたいと思う相手は、昔も今も、みのりだけなんだ。君がドレスを着て人前に立つのが苦手なのは、ちゃんと分かってるつもりだよ。……でも、もし少しでも前向きに考えられるなら。ブライダルイベントで、俺と一緒に歩いてくれないかな」


 迷いなく向けられる想いに、胸が強く打たれる。

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