お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 自分の願いを口にしながらも、最後まで私の気持ちを優先してくれる、その優しさに、どうしようもなく心を掴まれた。


「はる、君……」


 正直に言えば、ブライダルイベントのモデルなんて注目の的だ。それもドレス姿で大勢の前に立つなんて、自分にはとても気が進まない。それに元を辿れば、これはうちの会社で起きたトラブルだ。本来なら、私たち向坂側の人間がどうにかするべき問題で、はる君が責任を感じて表舞台に立つ必要なんてどこにもない。

 それなのに彼は、自社のイベントだからと責任を引き受けたうえで、最後まで私の気持ちを優先しようとしてくれている。無理はさせたくないと、私のために逃げ道まで残し決意を委ねながら。きっと本音では、私と一緒に歩きたいと思ってくれているはずなのに。

 その想いが、どうしようもなく愛おしくて、どうしようもなくありがたかった。

 ふと、彼とデートをした日のことを思い出す。

 観劇を見て少しだけ勇気を出せたこと。彼の選んでくれたドレスを着て、ほんの少し自信を持てたこと。そして、そんな私を認めてくれる人が、はる君のほかにもいたこと。

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