お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
◇第一章 トラウマCEOの襲来

 第一章 トラウマCEOの襲来


 
 ことの発端は、ひと月前にさかのぼる。
 オフィス内の朝はまだ冬の名残を抱えていた三月初旬。
 出社早々、父の向坂(こうさか)陵介(りょうすけ)に呼び出された私は、衝撃的な打診を受けていた。


「ええ! 私がグランツ・ハピネスのブライダルイベントを担当する……!?」


 落ち着いたインテリアで揃えられた社長室に、私の素っ頓狂な声が響く。
 先日六十歳を迎えた割にとても整った顔立ちを見つめながら、私は信じ難い気分だった。
 まさに、青天の霹靂である。


「うん。わかっていると思うけど、大道寺グループはうちの一番大口のクライアント。イベントの規模も大きいし、担当者の手腕も問われいい経験にもなる。もちろんみのりはまだ入社して二年だからフォロー役になるけれど、向坂の人間として大道寺との仕事を経験しておいてほしいんだ」


 父の経営する向坂インターナショナルは、国内でも上位に入る大きなイベント会社だ。
 都内千代田区にオフィスビルを構え、企業や自治体から依頼を受け、展覧会やセミナー、式典、さまざまなイベントの運営を請け負っている。

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