お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
「いえ、急ぎの案件は終えていますし、グランツには何度か訪れているのですが、ブライダルエリアには来たことが無かったので、ちょうど良かったです」


 西洋の空気を漂わせるその外観は、相変わらず童話に出てくるお城のようだ。
 気おくれするほど煌びやかなエントランスを鶴岡さんに続いて進む。

 今回のブライダルイベントの企画案は、コアチーム結成の段階で仮のものが設定されているのだが、先ほどのミーティングで、先方から了承を得たことでさっそくこのまま動こうと言う話になったらしい。そこで、午前中に出た演出案を、この会場の導線や空間の見え方に落とし込めるかどうか、その可否を見極めるための現地確認することになったのだという。

 とはいえ、今からシンガポールへ行くわけにはいかない。そこで提案されたのは、十年ほど前に造られたここのブライダルエリアだった。
 このエリアは、リニューアル前のグランツ・ハピネス・シンガポールのブライダル施設を再現して造られたものらしい。今回のリニューアルで建物の基本構造自体は大きく変わらないため、事前確認の場として訪れることになった。

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