廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
 にゃあん、にゃあんと必死な声がするものだから花壇をかき分け探してみるも見つからない。
 ふと見上げた先に、いた。
「ねこ!」
「にゃあん!」
 パヤ毛といわれる子猫特有のふわふわ感。
 おそらく木に登ったはいいが降りられなくなったのだろう。
 下ろしてあげなければ!とライラは手を伸ばすが、五才児には届かない高さだ。
「……ッ」
 ライラは、った。
 助けを求めればいい。それだけの話だ。
 だが、それで誰も来てくれなかったらどうしよう。心がそう訴えていた。
 来てくれたとしても、面倒くさそうな顔をされたら?
 いつもは優しい人たちが呆れたような目を向けてきたら?
 こんなことで呼ぶなんて、とかつて伯爵家の人々から向けられた視線と同じものに晒されたらと思ったのだ。思ってしまったのだ。
 ここはもうあの冷たい場所ではないとわかっているのに!
 ぞわぞわと、以前のライラが感じていた恐怖が体を支配していく感覚に襲われて、ライラは呼吸が浅くなるのを自分でも感じ取っていた。
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