廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
 そしてそのまま母が亡くなって、その後も花が咲いた。でも、父親は迎えに来なかった。
 記憶を取り戻す前のライラは、それをどう感じていたのか……同じ自分のことでも、今はもう思い出せない。
(そもそもなんで前世なんて思い出したんだろう。やっぱり自己防衛的なものなのかな?)
 ロマファン展開としてはあるあるだろうが、我が身となるとやはり困惑してしまう。
 この状況を受け入れられるようになったのも、大人の思考で乗り切ろうと決められたのも、ごくごく最近のことである。
 いくらライラの精神年齢が大人びているのだとしても、完全な大人ではないのだ。
 中途半端な記憶と幼児の体、知らない人たち、知らない世界――異世界転生ヒャッホウ!!とできるほどライラも図太くはなかったのである。
 ただ混乱の極みであったが故にビビって震えながら一生懸命状況を知るために話しかけた姿が、周囲には『なんて健気なお嬢様』『小動物みたいでかわいい』なんて評判になっていたなんてことは、ライラの知らない話である。
「にゃあん!」
「……ねこ?」
 鳴き声が聞こえた。
 ライラはキョロキョロするものの、見当たらない。
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