廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
 くりくりとした黄色い目がレモンみたいだ……なんてそんなことをきっかけに、前世ではその名を冠したケーキが好きだったんだよな……と続けて思い出したのだ。
 どうせならとそこから名付けたのだが、理由については上手く説明できないため『なんとなくかわいい』でライラは押し通した。
 ちょっと無理があるか?と思ったが、幸いライラが一生懸命考えた名前ということでみんながかわいいと褒めてくれたため、問題にはならなかった。
 やはり、かわいいは正義である。
 シトロンのおかげで、ライラは考え込む時間が減った。
 勿論、父親との関係改善や状況確認など、やるべきことは変わらない。
 しかしながら五才児の彼女にできることはやはり少なく、ちょっとずつ周りとのコミュニケーションを増やして父親のことを聞いて、会いたがっていることを伝えてもらうしかないかあ……という結論に至ったところである。
 とはいえ、大人の意識も持ち合わせているだけに余計なことを考えてしまうのだ。
 会いに来ないのは言葉の発達が遅いことを聞いてがっかりしたからじゃないのか?
 それとも公爵家の娘なのに、伯爵家で下働きのようなことをさせられていたあの見窄らしい姿に幻滅しているのだろうか?
 あるいは母のフレデリカだけが大事で、ライラはそもそも必要とされていなかった?
< 36 / 57 >

この作品をシェア

pagetop