夜風にさらわれたお姫様
ピリリリリ。
煌夜のスマホが鳴る。
空気が少し変わる。
煌夜は電話へ出た。
「……あぁ」
数秒後。
その目が冷たくなる。
榴愛の胸がざわつく。
「……分かった」
通話が切れる。
「……何かあったの?」
煌夜は少し黙った。
その後。
静かに言う。
「新しい組織が動いてる」
夜風が吹く。
遠くでバイク音が響いた。
月夜の牙戦は終わっていない。
そして――。
夜坂街には、新たな闇が近付いていた。