夜風にさらわれたお姫様
夜風にさらわれたお姫様
冬の夜風が、静かに夜坂街を吹き抜けていた。
秋の頃より少し冷たい風。
でもその風は、どこか新しい季節の始まりを感じさせる。
白鴉組本部邸。
広間では珍しく穏やかな時間が流れていた。
「姫ちゃんこっち!」
「今ゲームしてるっす!」
蒼空が大きく手を振る。
「また負けたんですか?」
榴愛が笑うと、蒼空は机へ突っ伏した。
「煌夜さん強すぎるんすよ!」
「雑魚」
煌夜が淡々と言う。
「姫ちゃんの彼氏が冷たい!」
広間に笑い声が広がる。