夜風にさらわれたお姫様

夜風にさらわれたお姫様


冬の夜風が、静かに夜坂街を吹き抜けていた。

秋の頃より少し冷たい風。

でもその風は、どこか新しい季節の始まりを感じさせる。


白鴉組本部邸。

広間では珍しく穏やかな時間が流れていた。

「姫ちゃんこっち!」

「今ゲームしてるっす!」

蒼空が大きく手を振る。

「また負けたんですか?」

榴愛が笑うと、蒼空は机へ突っ伏した。

「煌夜さん強すぎるんすよ!」

「雑魚」

煌夜が淡々と言う。

「姫ちゃんの彼氏が冷たい!」

広間に笑い声が広がる。


< 101 / 120 >

この作品をシェア

pagetop