夜風にさらわれたお姫様
煌夜は夜の街を見下ろしながら、小さく目を細めた。
「……また忙しくなりそうだな」
榴愛はそっと煌夜へ寄り添う。
怖い未来が来るかもしれない。
でも。
もう逃げたくなかった。
「ねぇ、煌夜」
「ん?」
「これからも隣にいるからね」
真っ直ぐな声。
煌夜は少し驚いたあと、優しく笑った。
「……あぁ」
そのまま榴愛を抱き寄せる。
夜風が二人の髪を揺らす。
危険な世界。
甘い恋。
終わらない裏社会。
それでも。
“夜風にさらわれたお姫様”は、今日も愛されながら笑っていた。
――そして物語は、新たな闇へ続いていく。