夜風にさらわれたお姫様

屋敷へ戻ると、広間には依吹たちが集まっていた。


「おかえり」

「デートどうでした?」

依吹が聞く。

煌夜は淡々と答えた。

「途中までは平和」

「黒崎組に接触されたんですね」

「あぁ」

空気が少し重くなる。

駿が腕を組んだ。

「マジで始まる気か、牙戦」

「可能性は高いですね」

依吹の視線が鋭い。

榴愛は少し不安になった。


すると。

「姫ちゃーん!」

蒼空が駆け寄ってくる。

「デート羨ましいっす!」

「え、あ……」

「煌夜さんどこ行ったんすか!?」

「ゲームセンターとか……」

「かわいっ」

「蒼空」

煌夜の声が低くなる。

蒼空がぴたりと止まった。

「……何すか」

「距離近い」

「へ?」

煌夜は榴愛の肩を引き寄せる。

「俺の彼女」

「独占欲強っ!?」

広間が笑いに包まれる。

榴愛は真っ赤になった。

「煌夜!!」

「事実」

「そうだけど……!」

心桜がニヤニヤしている。

「いや〜、煌夜ほんと分かりやすいね」

「前よりヤバい」

依吹まで頷いた。

煌夜は否定しない。

むしろ当然みたいな顔をしている。


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