夜風にさらわれたお姫様
次の瞬間。
唇が重なった。
深いキス。
「んっ……」
吐息が漏れる。
煌夜の手が榴愛の腰を引き寄せる。
近い。
熱い。
「……好き」
キスの合間に囁かれる。
榴愛の頭が真っ白になる。
「っ……私も……」
煌夜が目を細めた。
「可愛」
そのまま額を合わせる。
二人の呼吸が混ざる。
「誕生日プレゼント、最高」
「……恥ずかしい」
「一生忘れねぇ」
「忘れて……!」
煌夜が笑う。
本当に楽しそうに。
すると。
コンコン!!
「煌夜ー!!」
心桜の声。
「生きてるー!?」
「みおぉぉぉ!!」
榴愛が悲鳴を上げる。
煌夜は盛大にため息を吐いた。
「タイミング悪ぃ」
「いや確認大事だから」
障子越しに笑い声が聞こえる。
絶対全部バレてる。
榴愛は布団へ顔を埋めた。
煌夜はそんな榴愛を見て、優しく頭を撫でる。
「榴愛」
「……はい」
「ありがとな」
真っ直ぐな声。
榴愛は少しだけ顔を上げる。
煌夜は穏やかに笑っていた。
「今年一番嬉しい」
その言葉に胸が熱くなる。
危険な世界。
抗争。
不安な未来。
それでも。
今この瞬間だけは、幸せだった。