夜風にさらわれたお姫様
一方。
黒崎組本部ビル。
榴愛は冷たい部屋へ座っていた。
怖い。
でも。
煌夜が来ることも怖かった。
「……来ないで」
ぽつりと呟く。
でも同時に。
来てほしいとも思ってしまう。
その時。
ガチャ。
扉が開いた。
「……」
竜人だった。
「顔色悪ぃな」
「……」
榴愛は答えない。
竜人は少し笑った。
「白城煌夜、来たぞ」
心臓が跳ねる。
「……っ」
竜人は榴愛を見下ろした。
「お前、本当に大事にされてんな」
その言葉に胸が苦しくなる。
竜人は窓の外を見る。
「始まる」