夜風にさらわれたお姫様
黒崎組本部ビル一階。
白鴉組と黒崎組が激突していた。
怒号。
足音。
割れるガラス。
まさに戦場。
煌夜は一直線に進んでいた。
止める者は全て倒す。
「どけ」
低い声。
黒崎組組員が怯む。
圧倒的だった。
駿が笑いながら叫ぶ。
「煌夜! 前見えてねぇぞ!」
「榴愛しか見えてねぇ」
蒼空が苦笑する。
「重っ」
依吹は冷静に指示を飛ばしていた。
「五階に敵集中! 煌夜、右ルート!」
「あぁ」
煌夜は迷いなく駆ける。
その目は鋭い。
完全に“白鴉組若頭”だった。