夜風にさらわれたお姫様
上階。
榴愛は遠くの音を聞きながら震えていた。
煌夜。
怪我してないかな。
無事かな。
そんなことばかり考えてしまう。
すると。
「怖いか」
竜人が聞く。
「……」
「まぁ当然だな」
竜人は壁へ寄りかかる。
「でも白城煌夜、楽しそうだぞ」
「……え?」
「お前絡むとアイツ分かりやすい」
榴愛は少し眉を寄せた。
竜人は続ける。
「普段冷静なくせに、お前のことになるとすぐ壊れる」
その言葉に胸がざわつく。
「……だから何ですか」
「別に」
竜人は少し笑った。
「羨ましいだけかもな」