私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
「なぜ、お主が泣いておる」

気がつくと、私は大粒の涙を流していた。

「だって……そんなの、酷すぎるよ」

悠真は困ったように笑いながら、
そっと私の涙を指先で拭った。

「家族なのに……」

声が震える。

「たった一人の妹だったんでしょ……?
なのに、そんな別れ方なんて……」

胸が苦しくなる。

悔しくて。

悲しくて。

どうしようもなかった。

「なぜ、お主がそこまで悔しがるのだ」

悠真は優しく私の頭を撫でる。

「そのような時代だった。仕方のないことだ」

「でも……」

言葉にならない。

すると悠真は、小さく微笑んだ。

「しかし、我はこうして千紘と出会うことができた」

「温かな家があり。帰る場所があり。今は、こんなにも温かな布団で眠ることができる」

悠真は静かに私を見つめる。

「我は幸せだ」

その一言で、堪えていた涙がまた溢れ出した。

「もう……」

私は泣きながら笑っていた。

悠真は何も言わず、そっと私を抱き寄せる。

その腕は、とても温かかった。

「千紘、今日は寒い。このまま眠ろう。」

私は小さく頷く。

悠真の胸に額を預けると、
規則正しい鼓動が聞こえた。

不思議と心が落ち着いていく。

目を閉じる。

もう何も考えなくていい。

今だけは、この温もりを感じていたかった。

そうして私は、悠真の腕の中で静かに眠りについた。
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