私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
第8話 皇子、デートをする
上野公園。
駅を出てくるまでに、一時間かかった。
観光をする前にもう、ヘトヘトだ。
理由はというとーー
まず、電車に乗るのが初めての悠真は、
車内でも好奇心を抑えられないと言った様子だった。
子どものように窓の外を見て、
はしゃぎそうになっている悠真を、
必死に押さえつけた。
悠真は必死に、私に何かを伝えたそうにしていた。
そんな何かを察している自分に、少し驚いた。
そうしながらも、なんとか上野駅到着。
ホームの階段を降りる。
上野公園方面の出口へ向かう。
スマホを取りだし改札機にかざそうとした時だった。
ふと、後ろを振り返ると悠真がいない。
「悠真!?」
焦って探す。
いつはぐれた?
電車降りて、階段降りただけだよ?
こんな所に、古墳時代の人間を、
野放しにする訳にはいかない。
広い駅の中を探し回る。
だんだん焦りと不安で、
息が苦しくなる。
でも、なんでこんなに不安なんだろう。
たかが数週間、一緒に過ごした人間にーー
それでも見つけない訳にはいかない。
すると、遠くの方から女の人たちの、
黄色い声が聞こえてきた。
微妙に人だかりになっている。
「お兄さんかっこいいですね!」
「連絡先教えて〜」
「いや、我はその四角い箱は持っていない」
「四角い箱ってスマホのこと〜?お兄さん面白い」
「我は持っておらんが、千紘は持っておる」
「なんかお兄さん、現代人じゃないみたい〜」
見つけた……
何やってんのよもう!
「ちょっと失礼」と悠真の腕を掴み、
再び改札に向かう。
悠真を囲んでいた女の子たちは、不思議そうに、
私たちを見ていた。
油断した。
悠真は顔も整っているし、スタイルもいい。
芸能人にいてもおかしくないレベルだ。
そんな、男から一瞬でも、目を離してしまった。
理由を聞く前に、一旦外に出よう。
私たちは、改札を出て、
公園の中にある、ベンチに座った。
「悠真……」
「は、はい」
「なんで、私から離れたの?」
悠真を睨みつける。
「そ、それはだな。人が多く、千紘を見失ってしまい、人の流れに沿ってだなーー」
「それで、なんで最終的に女の子たちに囲まれてんの!」
あれ?
違う。
怒るところはそこじゃないのに……
「ともかく、私から離れない、喋らない!」
「でも、あの状況ではーー」
「ダメ!変質者としか思われないから!」
もう帰りたい……
頭の中をよぎる。
でも、せっかく苦労して来たんだし、
悠真とのデートを楽しみにしていた自分もいた。
だから、とにかく楽しもう。
私はゆっくりと、悠真に手を差し出す。
「どうしたのだ?」
悠真は何かわかっていない様子。
「もう、はぐれないように!」
そう言って私は、
悠真の手をぎゅっと握った。
すると、悠真の手も私の手を握り返す。
心臓の鼓動が早くなる。
「早くいこ!」
私は、鼓動の音が悠真に聞こえないよう、
急いで歩き出した。
駅を出てくるまでに、一時間かかった。
観光をする前にもう、ヘトヘトだ。
理由はというとーー
まず、電車に乗るのが初めての悠真は、
車内でも好奇心を抑えられないと言った様子だった。
子どものように窓の外を見て、
はしゃぎそうになっている悠真を、
必死に押さえつけた。
悠真は必死に、私に何かを伝えたそうにしていた。
そんな何かを察している自分に、少し驚いた。
そうしながらも、なんとか上野駅到着。
ホームの階段を降りる。
上野公園方面の出口へ向かう。
スマホを取りだし改札機にかざそうとした時だった。
ふと、後ろを振り返ると悠真がいない。
「悠真!?」
焦って探す。
いつはぐれた?
電車降りて、階段降りただけだよ?
こんな所に、古墳時代の人間を、
野放しにする訳にはいかない。
広い駅の中を探し回る。
だんだん焦りと不安で、
息が苦しくなる。
でも、なんでこんなに不安なんだろう。
たかが数週間、一緒に過ごした人間にーー
それでも見つけない訳にはいかない。
すると、遠くの方から女の人たちの、
黄色い声が聞こえてきた。
微妙に人だかりになっている。
「お兄さんかっこいいですね!」
「連絡先教えて〜」
「いや、我はその四角い箱は持っていない」
「四角い箱ってスマホのこと〜?お兄さん面白い」
「我は持っておらんが、千紘は持っておる」
「なんかお兄さん、現代人じゃないみたい〜」
見つけた……
何やってんのよもう!
「ちょっと失礼」と悠真の腕を掴み、
再び改札に向かう。
悠真を囲んでいた女の子たちは、不思議そうに、
私たちを見ていた。
油断した。
悠真は顔も整っているし、スタイルもいい。
芸能人にいてもおかしくないレベルだ。
そんな、男から一瞬でも、目を離してしまった。
理由を聞く前に、一旦外に出よう。
私たちは、改札を出て、
公園の中にある、ベンチに座った。
「悠真……」
「は、はい」
「なんで、私から離れたの?」
悠真を睨みつける。
「そ、それはだな。人が多く、千紘を見失ってしまい、人の流れに沿ってだなーー」
「それで、なんで最終的に女の子たちに囲まれてんの!」
あれ?
違う。
怒るところはそこじゃないのに……
「ともかく、私から離れない、喋らない!」
「でも、あの状況ではーー」
「ダメ!変質者としか思われないから!」
もう帰りたい……
頭の中をよぎる。
でも、せっかく苦労して来たんだし、
悠真とのデートを楽しみにしていた自分もいた。
だから、とにかく楽しもう。
私はゆっくりと、悠真に手を差し出す。
「どうしたのだ?」
悠真は何かわかっていない様子。
「もう、はぐれないように!」
そう言って私は、
悠真の手をぎゅっと握った。
すると、悠真の手も私の手を握り返す。
心臓の鼓動が早くなる。
「早くいこ!」
私は、鼓動の音が悠真に聞こえないよう、
急いで歩き出した。