私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
「今日久しく友に会ったのだろう?」

「うん。美緒ね」

私たちは、悠真の作った夕食を食べていた。

悠真は何事もなかったかのように、
お風呂を出ると、なれた手つきで、
料理を完成させた。

「どうであった?」

「どうであったって?」

「会って、どんな話をしたのだ?」

「どんな話ってーー」

美緒との話を思い出す。

「あ……」

そうだ。

悠真のことを話しちゃったんだった。

「あのね、悠真のことを全部話しちゃって……」

申し訳なくなり、手に持っていたスプーンを置く。

だって勝手に話しちゃったし。

悠真は誰にも知られたくなかったかもしれないのに……

「それで、友は何と言っていた?」

「え?怒ってないの?」

「なぜ怒る?」

「だって、悠真が昔の皇子で、一緒に住んでることとか……全部話しちゃったから」

悠真は少しだけ考え込む。

「それを話すことの何が悪い」

静かな口調だった。

「それに、千紘はその美緒という者を信用しているのであろう?」

「うん……」

「ならば、それでよい」

その一言に、胸の力が少し抜けた。

「それに」

悠真は箸を置く。

「我らだけで考えていても、答えは出ぬこともある」

「……」

「この先、我らがどう生きていくのか。そのことを考える良いきっかけになったのではないか」

私たちがこれからどうしていくのかなんて、
私は一度も考えたことがなかった。

今を生きるだけで精一杯だったから。

悠真といる時間が楽しくて。

悠真が家にいることが、
いつの間にか当たり前になっていた。

でも。

悠真は、もうその先を見ていた。

もし、いつか別れの日が来るとしたら。

私たちは、その時どうするのだろう。
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