私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
電車の中で、悠真の言葉を思い出す。

悠真が働くか……

確かに家系的にも、今は楽な状況じゃない。

でも、彼は古代人。

今の世で仕事をするなんて無理に決まってる。

それより悠真は、どうして急に「働く」なんて、
言い始めたのだろう。

しっかりと顔を見たわけではないけれど、
声のトーンから察するに、彼は本気だ。

でも、どうして?

昨日の夜まで、
いつも通り笑っていたのに。

『この先、我らがどう生きていくのか』

悠真があんなことを言ったのは、
働くことを決めていたからなのだろうか。

それとも──

私から離れることを考えているから?

胸がぎゅっと締め付けられる。

いつの間にか電車は、会社の最寄駅に着いていた。

人をかき分けて、外に出る。

「はぁ……」

思わずため息が溢れる。

なんで、こんなに気になるんだろう。

私は答えを見つけられないまま、
重い足取りで会社へ向かった。
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