番外編:ひとりが嫌で、今日も笑う。
斑が前を歩いて、
迅が静かに隣を見て、
伊織が透羽にぴったりくっついて、傘の中に入れて、
航斗が少し後ろから歩幅を合わせる。
俺は、その背中を見ていた。
透羽はまだ、完全には救われてない。
きっとこれからも苦しむ。
でも。
前より少しだけ、“生きよう”としてる。
それだけで、十分だった。
透羽が小さく呟く。
「……ただいま」
誰に向けたのか分からない声。
でも、伊織が泣きそうに笑った。
伊「おかえり、透羽ちゃん」
その瞬間。
透羽の目から、また涙が落ちた。
でも今度は、少しだけ温かい涙だった。