βの私に執着した元カレαの執着愛が止まりません
俺が進学した高校は一般校で、俺以外の全員、生徒も教師も含めてβしかいなかった。
ただ、俺は家系的にβ一族で、家族の中で俺だけがαだったため、生まれた頃から俺の世界はβの集まりだった。
成長するにつれて、βとの能力差が浮き彫りになったものの、周りのβは俺がαだとわかると、途端に姿勢を低くして態度を豹変させる奴らばかりで、特に自分に危害もなかったので、高校もβが通う一般校に入学した。
そこで出会ったのが、別クラスで美化委員会で同じメンバーになった沙梨だった。
高校2年の春といえど、入学時から唯一のαとして有名だった俺に、クラスの代表だけが集まる委員会の会合に誰も寄りつこうとしなかった。
一番暇そうで、規則も許そうな委員会だからという理由だけで入った俺も、ここで友人など作るつもりもなく、友好性は出さずに委員会が始まるのを待っていた時、話しかけてきたのは沙梨。
「隣、空いてる?」と声をかけられ、「うん」と返すと、「ありがとう」とフワリと笑う沙梨にほんの少し胸が高鳴ったのを覚えている。
それから、何回か委員会の会合で一緒になるも、これといって急速に仲良くなるイベントもなく、夏休みに入る時だった。
夏休み、交代で学校の花壇の水やりを当番制で委員会メンバー内で回すというものだった。
誰もやりたがらない役目にほぼ全員のメンバーが俯いて自分に回ってこないようにしている重い空気感の中、沙梨がヒョイと、手をあげたのだ。
「私、ほぼ毎日部活あるので、水やりくらいやります」
ごく当たり前のように面倒な役目を引き受ける沙梨に、俺はとてつもなく興味を持った。
「じゃあ、俺も」
その時には、反射的に俺も手を上げていたのだ。