夜の風景

過ぎていった冬

第四章 – 第十四ページ:過ぎていった冬


あの夜、お台場で別れてからも、冬は静かに過ぎていった。


12月が終わった。


何度か雪が街の道路を白く染めたが、そのたびに雪は溶けていった。


朝は冷え込み、学校の窓は生徒たちの吐く息で白く曇っていた。


ミアは、ほとんどの時間を勉強に使っていた。


以前より口数は少なくなった。


けれど、その静けさは、もう昔ほど彼女を苦しめるものではなかった。


時々、海辺やお台場の近くの通りを歩くと、あの夜のことを数分だけ思い出した。


アイロ。


青いマフラー。


そして、自分が最後に告げた言葉。


「さようなら。」


けれど、もう答えを探そうとはしなかった。


---


1月がやってきた。


新しい年が始まった。


友達たちは少しずつ、卒業試験や学校を卒業した後のことについて話すようになっていた。


ある日、ユカがミアの隣に座って言った。


ユカ:


「もうすぐ卒業だね。」


ミアは小さく笑った。


ミア:


「うん……本当にあっという間だったね。」


リナが反対側から口を挟んだ。


「入学したばかりの頃、何もかも大変だったの覚えてる?」


ハナが笑った。


「それなのに今は、卒業した後に何をするかなんて話してるんだもんね。」


ミアは校庭を見つめた。


そして初めて気づいた。


自分は本当に、一つの大切な時間の終わりに近づいているのだと。



2月がやってきた。


空気はまだ冷たかった。


けれど、冬の厳しい寒さは少しずつ和らいでいた。


昼間は少しずつ長くなっていた。


卒業試験も、もうすぐだった。


ミアは夜遅くまで勉強することが増え、ノートはたくさんの書き込みで埋まっていた。


ある夜、勉強机の上を整理していると、一枚の古い紙が目に入った。


ミアはそれを手に取った。


しばらく、その紙を見つめる。


すると、数か月前の記憶が静かによみがえった。


ミアはその紙を、もう一度ノートの中へしまった。


そして今度は――


ほんの少しだけ微笑んだ。


「これからは、未来のことを考えなきゃ。」


そうつぶやいて、ミアは本を開いた。


外には、冬の最後の雪がまだ地面に残っていた。


けれど、その白い雪の下には――


小さな春の気配が見え始めていた。


冬は、終わろうとしていた。


そしてそれとともに――


ミアの学校生活も、少しずつ終わりへと近づいていた。


つづく……
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