ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
施錠忘れはこれまでにもやらかしたことがあったのだろう。自宅のこの場所にパスケースを移動させたことを、瞬也も確認していた。

片方のポケットから例の写真を取り出す。

「──バイバイ、蘭子さん」

ひとつ呼吸をして告げると、ビリビリと写真をふたつ、みっつ……それ以上に、可能な限り細かく破いてごみ箱に捨てた。

リビングに戻ると、美咲が怪訝そうな顔で尋ねてくる。

「なんかビリビリ破く音聞こえてたけど……」

「ん? 俺なりの、決別」

自然と口角が上がる。今までに味わったことがないほど晴やかな気分だった。

「じゃあ、行こうか」

再びキャリーを手にして隣に立つ人へ微笑みかける。

「──うん」

柔らかな頷きが返ってくる。
そうして肩を寄せ合い、瞬也は長らく自分を閉じ込めてきた檻から一歩を踏み出した──。

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